声優・石田彰さんを主に、節操無しにヲタ語り。相手してやって下さい。
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郁琥SS。
2010-11-22 Mon 23:24
※『Starry☆Sky』の郁琥SS(S)です。意味が分からない方・嫌な方は回れ右。


「何やってんの?琥太にぃ」

明日は祝日で休みだからと、帰ってきたのは寮ではなく自宅。
学校の寮も悪くはないのだが、元気有り余る男ばかりの高校生や
生徒以上にうるさい教育実習担当の教師は、自分に合わないし
愛しい人と甘い時間を過ごすには、あまりにもムードに欠ける。
帰宅してすぐ、疲れと汗を拭おうとシャワーを浴びて出てきた郁は
頭に載せたバスタオルの隙間から覗いた光景に、そう言葉をかけた。
目の前のダイニングキッチンからは、いいにおいがしている。

「見て分からないか?」

小さなミルクパンを軽く振りながら、彼が逆に問う。

「いや、やってる事は分かるんだけど」
「つまみが何もなかったからな。
 あぁ、冷蔵庫の中のもの、勝手に使わせてもらったぞ」
「いや、それは構わないんだけど…」
「何だ?歯切れが悪いな、郁」

そう言ってようやく振り向いた彼に
郁は率直に、その光景に対する感想を述べてみた。

「琥太にぃ、料理できるんだ」
「失礼だな。つまみを作るくらい、俺だってできるさ」

片付けるという事がこの世で1番嫌いだとでも言うように
寮の自室だけでなく、保健室までもを私物化しているこの保健医が
料理ができるなど、目の当たりにしている今も信じられない。
けれど事実、彼の手に握られたミルクパンの中を横から覗き込むと
賞味期限が気になっていた食パンが、大雑把ではあるがちぎられ
チーズとコンソメの素だろうか、をまぶされてこんがりと焼けつつある。
へぇ、と思わず郁が漏らした声に、彼は苦笑を返した。

「余り物だけの即興だから、あんまり期待するなよ」
「充分期待するよ、おいしそう」
 

素直にそう口にすると、そうかと微笑みまたミルクパンへと視線を戻す。

「それより郁、早く頭拭いて何か着ろよ。
 いくら暖房つけてるとはいえ、風邪引くだろ」
「あぁ、うん…」

バスタオルを腰に巻いただけの姿では確かにその通りだろうと
頷いて自室に向かおうとした足は、けれどその場に留まり
こちらを振り向かない後ろ姿を、郁はぼんやりと見つめた。
出逢ってからもう随分と長い付き合いになるはずだけれど
まだまだ自分の知らない一面があったのかと少し驚いていたからだ。

いや、当然といえば当然なのかも知れない。

付き合い自体は長いけれども、5歳も年上の彼と自分は釣り合わず
こうして保健医と教育実習生という近しい立場となって
1人暮らしの互いの家を尋ねるようになったのは、つい最近だ。
もちろん、未だに子ども扱いされる事はあるけれども
少なくとも今は、互いの気持ちを知る今は違うと確信できる。

郁が立ち去っていない事に気配で気付いていたのだろう彼は
仕方ないなと溜め息を零しつつも、それ以上何も言う事はなく
相変わらず、ミルクパンの中へと視線を落としていた。
スプーンの先で器用に食パンを返し、焦げ目を確認しているのを
そっと背後から近付いて見やった郁は、やがて口角を少し上げた。

「何かいいよね、恋人が自分の家で料理してるのって」
「料理ってほどでもないぞ?」
「…あれ?恋人の方はいいんだ」

いつの間にか追い越していた身長のおかげで、耳元に直接そう囁くと
一瞬くすぐったそうにした彼が、ぴたりと動きを止めた。

「え?…あ、いや、それは…」

普段物事に動じない人が動揺すると、その威力は計り知れない。
人と親しく接する事にあまり慣れていない彼は
決してジタバタと取り乱している訳ではないけれど
ちらりと覗く頬が、耳が、僅かに赤く染まっていて可愛くも見える。
思っていたものとは違ったがいい方向に話が転び
気を良くした郁は、その両手を彼のそれへと重ねた。
ちょうど背後から抱きしめられる形となった事に
今更ながら気付いた身体が、胸元で跳ねると同時、
ガタンと、五徳とかち合ったミルクパンが音を立てる。

「ちょっ…郁っ、危ないから…」

手を振り払おうにも火のそばで、火を消そうにも手がそれを阻む。
自分よりも大きな、大人の男の力を両の手で感じ
更には布地越しではあるけれども、後ろからの熱を感じ
どうしていいのか分からなくなって俯いてしまった彼を見下ろし
意地が悪いなと自分でも思いながら、もう1度耳元へと唇を寄せて囁く。

「ねぇ、琥太にぃ」
「………何だ…?」

小さいながらも気丈に返ってきた言葉に笑って
おいしそうだねと続けると、さすがに今度は分かったらしく。
名前を呼びながら、真っ赤になって勢いよく振り向いた身体を
危ないからと理由付けて、郁はぎゅっと抱き締める事で制した。


   *  *  *


自己満足も甚だしい、いい夫婦の日記念SSでした。ははは。

もう笑うしかない。 本当にごめんなさいorz;;

しかもこれが初めて書いた郁琥SSだったりします。あぁ拙い…;
だから…と言うと、もう言い訳にしかならないんですけれど
琥太郎と書くのが何か慣れなくって、琥太にぃと書くのも変だしで
苦肉の策として、郁視点にして「彼」で統一してみました;
そしてタイトル浮かばなかったので、無題のままっていう。

とにかく、この後おいしく頂かれればいいよとかそんなカンジ←

ここまでお付き合い下さった奇特な方、すみませんでした(土下座)
 
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